東洋軒のはじまり

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東洋軒の創業は明治22(1889)年、伊藤耕之進が牛鍋屋「今福」の名で東京三田四国町に開業したのが始まりです。
明治30(1897)年、伊藤博文や歴代の閣僚の勧めによりその「今福」隣接して開業されたのが西洋料理店「東洋軒」でした。初代料理長として北垣栄七郎を招き、後に天皇の料理番となった秋山徳蔵らを筆頭に、優秀な料理長を次々と輩出し、宮内省御用達の店として明治期に名声をのこすこととなりました。
現在は三重県津市に本店を構え、その歴史と伝統を受け継ぎ、東京 元赤坂の地で「西洋御料理 東洋軒」として歴史を紡いでいます。

漆黒のカレー。その始まりは昭和の初め「東の魯山人、西の半泥子」と称された陶芸家で、実業家でもあった川喜田半泥子氏の「黒いカレーができないか」という一言でした。
試行錯誤の末に完成したのが、現在でも受け継がれている東洋軒名物「ブラックカレー」です。
上質な松阪牛脂と小麦粉、秘伝のスパイスなどを合わせてじっくりと煮込み続け、出来上がるまでに約一ヶ月。私たちは現在もその味を守り続けています。手間隙かけたそのカレーは、真っ黒な見た目からは想像も出来ないほど松阪牛の甘みや旨みが引き立ち、まろやかな味わいです。